「飯寿司(いずし)作りinえりも岬」
12 11月 2007, by in ・お料理
先週末、お友達と一緒に1泊2日の飯寿司(いずし)作りの旅へ行ってきました。場所は、ここ南富良野から3時間半ほど車を走らせた道南の町、えりも町。もうじき冬を迎えるえりもの岬周辺は、写真で見る憧れのアイルランド・アラン島のように美しく、そしてどこか寂しげな雰囲気の漂う風景でした。今回は、所属する北海道スローフード協会の集まりで、えりも町の地元のお母さんに飯寿司を習うというもの。飯寿司とは北海道や東北で、寒い冬に作られる郷土料理。ご飯とお魚、麹、野菜を混ぜて桶に入れ、重石を載せて漬け混む、‘なれずし’のひとつです。お魚の入ったお漬物に最近まで抵抗のあった私でしたが、2年前に子どもの小学校の集まりでいただいた飯寿司がとっても美味しくて、すっかりカルチャーショックを受けてしまったのでした。。。さてさて、先日購入した木樽を抱え、楽しみにしていた飯寿司作りのはじまりです。参加者は13名。 用意された食材は、えりも産の鮭1本、大根、人参、炊いたご飯、酒、麹、塩、ザラメ、刻んだ生姜、たかのつめ。樽の底には笹を敷いて、これらの材料を、ラザニアのように順番に敷き詰めていきます。このえりもの町の「お母さん」が教えてくれたのはお酢を入れない飯寿司でした。乳酸菌を利用して自然発酵で作る飯寿司は、寒すぎても発酵してくれないので温度調整がポイントになってくるそう。寒すぎて凍らない、そして、10度以上にもならない、菌にとって住み心地の良い場所で保存をし、30日間重石を少しずつ載せて、味を馴染ませていきます。発酵食品とは本当に面白いもので、日本や世界の食文化のすごさにも感心してしまいます。我が家もやっと、パンの酵母やら飯寿司やら、いろいろな菌が一緒に暮らしてくれるようになりました。菌には家の空気も沢山吸ってもらって、お正月になる頃には美味しい飯寿司が出来上がってくれると良いのですが。ともかく、今日からちょくちょく、飯寿司の様子を見ることにしましょう。
●「守人(まぶりっと)」
https://www.erimotankaku.com/
今回宿泊をさせていただいた、えりも町のファームイン.
同じスローフード協会の高橋さんが、えりもの丘で短角牛を育てながら、お食事、宿泊も行っています。短角牛のタンは最高に美味しいです。おススメ。
●「北海道スローフードフレンズ」
https://www.slowfood-friends.org/
北海道の美味しいものが大好きな人々の集まり。
●「発酵食品礼讃」
面白い本です。小泉武夫さんの本は、天然酵母パンなどを作る人なら、(おそらく)すんなり入ってゆける本だと思います。微生物が織り成す、世界中の食べ物の数々。植村直己さんが好んで食べたという、発酵食品‘キビヤック’は、作り方から想像力をかき立てられます。私の好きな本の1冊。